2025年度日本リウマチ学会参加(妊娠症例、強直性脊椎炎、薬剤指導の発表)|明陽リウマチ膠原病クリニック|杉並区西荻窪駅のリウマチ科・腎臓内科・内科

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2025年度日本リウマチ学会参加(妊娠症例、強直性脊椎炎、薬剤指導の発表)|明陽リウマチ膠原病クリニック|杉並区西荻窪駅のリウマチ科・腎臓内科・内科

2025年度日本リウマチ学会参加(妊娠症例、強直性脊椎炎、薬剤指導の発表)

2025年の日本リウマチ学会学術集会に参加してきました。

今回は、全部で3つ発表しています(症例については、すべての症例に当てはまるものではありません)。

1)セルトリズマブ・ぺゴル400mg隔週投与により改善し、妊娠・出産を経験した強直性脊椎炎の女性例

従来型の抗リウマチ薬(メトトレキサートなど)を内服してコントロールが不十分であり転居にて転医した。関節炎や手足のむくみが強いため、アダリムマブ(ヒュミラ®)80mg/2週毎を開始。しかし症状が消失しないため、セルトリズマブ・ぺゴル(シムジア®)400mg/2週毎を開始。徐々に症状は改善し、疾患の活動性が低下したこともあり妊娠。妊娠中の合併症もなく出産。

→妊娠を希望していることもあり、別の抗TNF製剤に変更し、症状は改善し出産まで迎えることができました(検索した限り、強直性脊椎炎に対するセルトリズマブ・ぺゴルの投与例は検索した限り日本でも見つかりませんでした)。また風疹などの抗体があることが重要であるが、従来型抗リウマチ薬を調整して生ワクチンを接種することができた事例です。

 

2)当院で経験した免疫疾患を合併した妊娠例 ~クリニックでの経験を通して~

 当院開院以来2年間で経験した妊娠・出産までに至った6例について報告した。①抗リン脂質抗体症候群。病院の産科から治療の管理について紹介受診。低用量ヘパリンなどを開始し妊娠継続し出産。②シェーグレン症候群。ステロイド及び免疫抑制剤を継続し妊娠・出産。③不妊クリニックから紹介。甲状腺ホルモンを補充し妊娠し出産。など

→クリニックからの妊娠症例のこれまでの報告は検索した限り関節リウマチのみでした。膠原病の中でも特殊な病気も当院は対応しています。また症例によっては不妊症・不育症に対する薬物治療も行っています。

 

3)膠原病患者の治療効果を目指した服薬指導の取り組み

 膠原病(関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどの膠原病など当院通院中の免疫疾患)患者の治療の中心であるグルココルチコイド (GC),免疫抑制剤,従来型抗リウマチ薬(csDMARD),生物学的製剤(bDMARD) JAK阻害薬の服薬指導の効果を評価した。服薬状況を確認し調整したこともあり、全体としての残薬は低かった。取り組みによって服薬アドヒアランスは安定し残薬は少なくなった。病気の活動性は安定し、残薬を調整することで医療経済的にも貢献していると考えられた。

師長の松田さん発表です(しかも口頭発表)。患者さんの病気が安定したことが最もよいことですが、現在騒がれている医療費抑制にもつながっていると考えられました。